| HEINZ.JP(
www.heinz.jp )は、ハインツ日本のブランドイメージ、商品情報及び会社情報をコンシューマに向けて発信するウェブサイトである。
ハインツは世界140カ国で製品を販売する世界屈指の総合食品加工メーカーである。「ハインツ・トマトケチャップ」など本国の商品ブランドのイメージが強いが、実際には製品の開発・マーケティングは食文化・生活文化にあわせて各国独自で行われている。日本においても、最初に製品化されたデミグラスソースをはじめ、缶詰クッキングソースを軸とするハインツ日本のオリジナル商品により、日本の洋食文化の開拓に貢献してきた。
本プロジェクトでは、こうしたハインツ日本の企業姿勢を「日本のハインツ」という全体コンセプトに集約し、HEINZ.JPウェブサイト構築におけるアートディレクションから、サイトデザイン、コンテンツ開発、コンテンツマネジメントシステム(CMS)構築・運用までを担当するものである。
+ プロジェクト概観
”ひとの口にはいるもの”をつくることを仕事にするハインツ日本のウェブサイトは、例えばどんな”味”や”香り”がするのか。
ウェブサイトというデジタル化された情報であればこそ、アナログの素材感、視覚、肌へ感覚的に伝わる温もりの本来的な魅力を引き出すアートディレクションが非常に重要である。
本プロジェクトでは、クリエイティブにおける全体コンセプトとして、
| A. |
テーマ:日本のハインツ |
| |
世界で親しまれるハインツのなかでも、日本ならでは美味しいものを考え、提供していく姿勢。これまでのハインツの伝統を踏まえ、日本の食の良さ・魅力を取り入れていくハインツのスタイルを表現する。
|
| B. |
テイスト:やさしさと落ち着き |
|
テキスト表記については、日本語(明朝体)をメインにし、“手書き”なども併用。日本のグラフィックデザインとしてのやさしさ、落ち着きを追究することで、ハインツブランドのテイストを提示する。
|
| C. |
インプレッション:食・素材へのこだわり |
|
白を基調にした落ち着きのあるゆったりした画面構成とし、メインの写真、サムネールの写真等の魅力を前面に押し出す。デジタルの画面のなかにも、ワビサビと素材感を意識させる。
|
| D. |
テーマカラー: 白/生成り色 |
|
料理・素材を引き立てる「白/生成り色」を調にした画面の配色。
|
という4つの基本方針を設定している。
本プロジェクトの特筆するべきポイントは、こうしたクリエイティブ方針自体が、結果的に業界の競合サイトとは一線を画したものとなっている点である。
競合となる総合食品加工メーカーは、コンテンツ量としても充実し、デザイン的にも広く親しまれる中・大規模のウェブサイトを既に構築しており、こうしたコンシューマ向け企業サイトにおいては後発となるHEINZ.JPにおいては、これらの競合サイトとは一線を画し、差別化を図る必要があった。
HEINZ.JPでは、サイトにアクセスしてくる能動的なユーザーに対し、スーパー店頭やCMなどで目にするハインツ商品/広告クリエイティブなどの焼きまわしやキャンペーン情報では伝えきれない、ハインツの素顔や料理に対するさり気ないこだわりなど伝えることに重点をおいた。
ハインツ社員もブログ風に執筆・更新するコラム集、
Column
-ハインツ手帖や、実際の日本の家庭にハインツのあるさり気ないシーンを取材するスペシャルコンテンツ、
Heinz Scene -ハインツのある物語などがそうした視点から生まれたコンテンツである。
「日本のハインツ」という全体コンセプトを踏まえ、あらかじめターゲットユーザーを明確化し絞り込んだ上で、ハインツ日本の姿勢・取り組みを丁寧に紐解いていくようなこだわりを、グラフィックデザイン、情報デザイン及び各コンテンツに反映させているのが、HEINZ.JPの魅力の大きなポイントである。
+ HEINZ.JPの今後
本プロジェクトは下記の3つのフェーズを段階的に進める中長期的なプロジェクトである。
| フェーズ1. |
提供:HEINZの基本情報を提供する。 |
| フェーズ2. |
表現:HEINZのブランドスケープを表現する。 |
| フェーズ3. |
交流:HEINZユーザーとのコミュニケーション窓口となる。 |
これまでフェーズは1から2までが何らかの形でコンテンツとして実装された「情報提供」及び「ブランド表現」の段階である。
サイトは今後、ユーザーとの「交流・コミュニケーション」フェーズへと移行する過渡期に入っているが、今後は、商品・生活情報提供やブランド表現に加えて、プロモーション/CRMを軸としたユーザーとのコミュニケーションを図っていくコンテンツ・機能を備えていく。
フェーズは変わっていっても、「日本のハインツ」というテーマをユーザーへどのように伝達していくかを考え、アートディレクションとクリエイティブの一貫性を保ちながら、競合とは一線を画したオリジナリティあふれるウェブサイトマネジメントを行っていきたい。
Text by Yuji MIZUTO
|