imaginative inc.

IMGNTV SCRIPT003 [SEGA SAMMY HOLDINGS WEBSITE]
PROJECT NO: IMGNTV003
URL: http://www.segasammy.co.jp
LAUNCH: 2004.10.01
CLIENT: SEGASAMMY HOLDINGS INC.
PRODUCE: Sideburns, Inc.
DESIGN: imaginative inc.

ホールディングカンパニーを表現する。

SEGA SAMMY HOLDINGS Website ( www.segasammy.co.jp ) は、サミ株式会社ーと株式会社セガが経営統合するにあたり設立されたホールディングカンパニーの戦略的役割及びグループの発展性を訴求する、ブランディングコミュニケーションの機能を担うコーポレートサイトである。


+ プロジェクト概観

本プロジェクトで特筆するべきポイントは、「ホールディングカンパニーの企業グループ全体のブランディング表現」としてのWebsiteデザインを提案している点である。

多数の製品・サービスを保有するグループ企業群を傘下に持つ「ホールディングカンパニー」は、事業機能を持たず、事業会社と比較して具体的なブランドイメージを訴求するのが難しい。ウェブサイトをデザインする上で、どのようなクリエイティブをトップページで表現すればよいかの意味付けが薄く、実際ホールディングカンパニーのコーポレートサイトは個性が全くないものが大半を占めている。

本プロジェクトでは、特にグループ企業全体の「顔」となるTOPページにおいて、「グループ企業を統括し新たな価値を創造していく戦略的な存在」をコンセプトとし、そのうえで、セガサミーホールディングスのブランドポジショニングを以下のように策定した。
A. グループとしてのアイデンティティ
B. 世界的に業界をリードするグローバルリーダーシップ
C. トータルエンタテインメント

上記を踏まえ、ワクワクするような企業ブランドをユーザーに体感してもらい、ホールディングカンパニーならではのウェブサイトの新しい方向性を提示するために、クリエイティブの方向性を下記の3点に集約した。

1. 特定のグループ企業のサービス、商品などに偏らない、企業グループ全体共通のブランドイメージを創出・表現する。
2. グローバル企業として文化・国境を問わずコンセプトを伝達する。
3. インターネットならではのダイナミック性/
インタラクティブ性を持って伝える。


これらのポイントについて下記に詳しく説明する。

+ SEGASAMMY.CO.JPデザイン概要

1.コンセプト

「Fusion & Diffusion」
-融合と拡散 すべてが創造のために-

セガサミーホールディングスにとって、セガとサミーの活動が企業クループ全体のブランドイメージの一部分をそれぞれ担っているといえる。このコンセプトに、セガとサミーが経営統合をしていく過程で、両社の全ての要素が融合し、さらに創造的な発展すなわち拡散をしていくことを想いに込めた。

コンセプト表現においては、特定のグループ企業のサービス、商品などに偏らない、企業グループ全体共通のブランドイメージの創出・表現を目指した。最終的には、事業会社の2つウェブサイト「SEGA.CO.JP」と「SAMMY.CO.JP」のサーバー上の動的に取得するデータを変数として、ホールディングカンパニーウェブサイト「SEGASAMMY.CO.JP」のクリエイティブとして表現する手法をとった。

技術的には、「SEGA.CO.JPとSAMMY.CO.JPで公開されているRSSファイル(RDF)をSEGASAMMY.CO.JPのFLASHが動的に読み込み、このデータの動きを、あるアルゴリズムを介してグラフィカルに表現する」という構成とした。

2.「青い○」と「緑の○」のアルゴリズム

具体的な画面のデザインについて説明する。まず、サイト上で動く「青い○」はセガを表し、「緑の○」はサミーを表している。これらの色は各社のコーポレートカラーである。
オープニングは、トップページのFLASHが、各事業サイトの更新情報(What’sNew)の最新データのRSSを参照する。そこに含まれるテキストの文字コードを数値に変換し、それぞれを青と緑の「○」として座標軸にプロットしていく。
すべてのRSSデータのプロットが完了すると、すべての「○」がランダムで動きだす。
画面上を動きまわる「○」は、以下の2つのシンプルな法則で「拡散と融合」を繰り返す。

法則1. 「融合」
  同じ大きさの色違いの「○」が衝突するとその2つは”融合”し、面積が2倍の「○」へと成長する。
法則2. 「拡散」
初期値から4倍の大きさの「○」が融合したら、8つの初期値の「○」へと”拡散”する。

3.インタラクション

これらの「○」の動きは、セガとサミーという2社の共通項である「ゲーム」を象徴するものとして、もっともプリミティブなゲームのカタチ「ライフゲーム」をモチーフにした。抽象化された図形が織り成すゲームとしてのクリエイティブであることで、文化や言語の壁を乗り越え広くユーザーが体感/理解することを可能にしている。

また、画面上の「○」はユーザーのマウスとのインタラクションが可能なっていて、マウスで「○」をドラッグし、他の「○」に衝突させることで、法則1と2に対してユーザーが何らかの影響を加えられるようになっている。

これは、単にゲームとしての必須なインタラクティブ性であるだけでなく、ユーザーが、消費者、株主などそれぞれの立場からセガサミーの企業活動自体に能動的に参加できる、ということを示すメタファーでもある。

4.サウンドデザイン

本プロジェクトではグラフィック表現だけでなく、サウンドデザインにも取り組んだ。サウンドといってもオリジナルの旋律を作曲をするのではなく、上記の視覚的なアルゴリズムと同じ法則を「音」について当てはめることで、「融合+拡散」コンセプト表現をさらに立体的に体感できるようにした。

法則1. 「融合」に対してのサウンドパーツ
法則2. 「拡散」に対してのサウンドパーツ

という2つの法則を基本構成要素とした。

サウンドパーツは1→2→4→8→拡散の各フェーズで音階/和音になるようデザインしているので、あらかじめ作曲した楽曲のように聞こえるが、実際は画面上で拡散と融合を繰り替えすグラフィックはランダムな動き同様、常にダイナミックに変化しつづけるサウンド表現となっている。

 

SEGASAMMY.CO.JPが提示するもの

SEGASAMMY.CO.JPのトップページ上で表現されているグラフィックイメージとサウンドは、「色」や「○」「運動」「音」といった”Abstract”なイメージでありながら、それらの要素は実際に一般ユーザーが利用する事業会社のサイトのデータから生成されるという”Concrete”な部分にも同時に支えられている。

これには、コンセプトが不明瞭になり勝ちなこれまでの「ホールディングカンパニーのウェブサイト」のデザインとは違い、グラフィックの構成要素自体にセガサミーホールディングスならでは意味付け・必然性が存在といえるだろう。

それらの表現はWEBならではのダイナミックなグラフィック及びサウンド的表現であり、さらに、常に変化をする企業の環境/形態のメタファーとして、ホールディングカンパニーのウェブサイトを活用したブランディングの方向性を提示するものである。


Text by Yuji MIZUTO